
介護の社会化の要請に応える形で介護保険が導入されましたが、少子高齢化の進展とともに介護に携わるマンパワー不足が予想され、今後17兆円にまで増える介護給付費は我が国の財政を圧迫することになります。そうした中で、介護の質・量を確保し、国民に安心してもらえる制度を考えていく必要があるとの趣旨から、自民党所属の国会議員の皆さんと共に勉強会を開催いたしました。
講師:奥山 千鶴子
第1回「修正タイムダラー制」勉強会は、特定非営利活動法人「びーのびーの」理事長・奥山千鶴子氏の講演と共に始まりました。「びーのびーの」は、現在、厚生労働省の下で子育て支援を主とする「つどいの広場事業」を日本全国で展開しつつ、タイムダラー制などの介護を主とした事業との連携を今後の課題としています。以下は同氏の講演を要訳したものです。
「びーのびーの」は、まだ保育園や幼稚園へ行く前の0歳から2、3歳までの乳幼児が、責任を持って見られる地域の大人と一緒に日中過ごせる居場所が必要ということで、商店街の小さな空き店舗で平成12年にスタートしました。その後、厚生労働省による「つどいの広場事業」という公的な活動に形を変え、現在5年目にして全国700カ所に広がり、昨年6月には全国組織が法人化されました。
「びーのびーの」発足当初より、銀行の元支店長が会計やマネジメントの部分を担当してくれるなど、異世代からの幅広いサポートが会の発展につながったと思います。
これからも、地域福祉の次世代の担い手育成としての学生さんの活用、企業を退職したサラリーマンや子育て体験のない人の育児貢献など、血縁を越えた地域三世代というような地域における支援関係の強化を目標にしていくつもりです。
また、今回の勉強会の議題である修正タイムダラー制など介護を主体とした時間預託制度との連携も今後進めていきたいところで、例えば1時間の子育て支援をすれば0.5ポイントもらえて時間預託でき、将来自分が子育てをする時に使えるといったようなやり方も考えられると思います。
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講師:太田 善朗
第1回「修正タイムダラー制」勉強会の二人目の講師には、特定非営利活動法人「ニッポン・アクティブライフ・クラブ」(通称ナルク)理事・太田善朗氏をお招きいたしました。ナルクは時間預託制度を活用し、家族労働ボランティアを主体に介護事業に取り組んでいる内閣府の認証を受けた全国NPO組織です。以下は同氏の講演を要訳したものです。
ナルクは内閣府の認証を受けた全国NPO組織で、時間預託制度を基本概念にスタートして今年で11年になります。時間預託制度とは簡単にいえば、介護ボランティアを行った時間分、将来自分が介護を必要とした時にボランティアを受けられるというシステムで、ナルクではボランティア活動1時間につき時間預託1点としています。
ボランティア活動の種類は、高齢者・障害者の在宅支援、庭・植木の手入れ、買い物、移送、夕食作り、子育て支援、在宅見守りなどで、施設においては食事の介助、入浴後のドライヤー、車いすのそうじ、花見など外出支援等々となります。有資格者の資格管理は難しい面があり、ナルクでは資格が必要な介護は提供せず、家族労働の延長的なものが大半を占めています。
ボランティア活動希望者には、やってみたいことを最初にヒアリングし、自分の能力の範囲内で無理なく活動できる時間帯を選んでもらうようにしています。また活動開始にあたって、コーディネーターが仕事の内容を現場でよく説明し、依頼者にも仕事の範囲の確認をお願いしており、これがお互いに安心してスムーズに接することができる大きな秘訣になっていると考えています。
ナルクの時間預託制度にはいくつかの決まり事があり、それは以下のようなものです。
ナルク全体の年間預託時間総数は、前年度165,184時間、代表の太田氏が所属する活動拠点では年間5,461時間、さらに無償支援が全国で207,137時間にのぼっています。
ナルクはこれからも、介護保険に認定されない人たちなど、いわば介護保険のニッチ(隙間)をどのようにして社会的に埋め、担っていくのかを活動指針としていくつもりでおります。
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