
介護の社会化の要請に応える形で介護保険が導入されましたが、少子高齢化の進展とともに介護に携わるマンパワー不足が予想され、今後17兆円にまで増える介護給付費は我が国の財政を圧迫することになります。そうした中で、介護の質・量を確保し、国民に安心してもらえる制度を考えていく必要があるとの趣旨から、自民党の国会議員の皆さんと共に勉強会を開催いたしました。
講師:兼間道子氏
第2回「修正タイムダラー制」勉強会では、講師にNPO法人日本ケアシステム協会会長・兼間道子氏をお招きし、日本ケアシステム協会で運営されているタイムストックシステムという修正タイムダラー制とよく似た福祉サービスについてお話を伺いました。以下は同氏の講演を要訳したものです。
日本ケアシステム協会では、修正タイムダラー制と似たような形で、タイムストックシステムという福祉サービスを行っております。これは、ボランティアサービス利用者の方々からしばしば聞かれた「無償のボランティアさんにはかえって頼みにくい」「権利としてサービスを受けたい」といった声と、それに対するサービス提供者の「あくまでも善意でやりたい」という思いの両方に応えるために考え出されたシステムで、簡単にいえば、サービス利用者は1時間につき1,000円払い、サービス提供者は1時間のボランティア活動で1点もらえるというものです。サービス提供者は、このポイント分だけ(1時間1ポイント)将来無料でサービスを受けることができます。
今はまだ、介護保険でどうにかなるんじゃないかという考えもありますが、これから高齢者がますます増えてくる中で、財源は当然足りなくなって、介護保険だけでは必ず成り立たなくなります。そこで、住民自身が働いてポイントを貯め、それを将来自分のために使うというこのタイムストックシステムを行政制度の中に組み入れることを私どもは提案しているわけです。これが機能すれば、介護保険の財源をなるべく使わないで済む方向に持っていくことができます。
ただこれは、できるだけ多くの人に利用してもらい、同時に多くの人にポイントを貯めてもらわないとうまくいかないシステムです。今後、いかに拠点を増やせるか、協力会員を拡大していけるかが成功のカギを握っていると思っております。今後うまくいけば、介護の他にも身体障害や知的障害、自閉症、子育て支援などにも応用できるでしょう。
このシステムで働いている人たちは、介護サービスの提供を通して自分もやがて老い、死んでいく存在であることを肌で感じるとともに、病気にならない方法や老人になった時に元気でいるための生活習慣などを学んでいくため、年を重ねても介護の世話にならない人が多いのです。つまり予防効果も高いわけで、その意味でもぜひ行政の福祉制度に採り入れ全国にネットしていただければと願っています。
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